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  • @miyamototo スガノサカエさんの、2人の息子さんが見にきてくださった。嬉しかった。#森岡書店 https://t.co/fPDwQvcO9w
    2017.11.19
  • @miyamototo 続)駅・滝・工場・石切場・高速道路などで実施した「OTO」展のための録音・撮影には、会議メンバー有志も同行。ビジュアルデザインは梅木駿佑君。フライヤーが今日あたりから置賜地域内の文化施設に配布されているかと。12/3〜米沢市立図書… https://t.co/MdJzSCgwBD
    2017.11.18
  • @miyamototo 置賜総合支庁の依頼で講師を務めた、文化活動やまちづくりに取り組む個人団体を対象にした、企画力向上ワークショップの成果展を開催。市民会議からでた「音+風景によって置賜のリアルを表現する」というアイデアを、写真家の根岸功さん、Cher… https://t.co/Q2m55l9Nfl
    2017.11.18
  • @miyamototo 銀座での「盆地文庫」展期間は、東京での打ち合わせ合宿でもあり。平成28年度五島記念文化賞美術新人賞の海外研修(インドネシアに1年間)を終え、帰国したばかり川村亘平斎さんと、次なるkabanou出版企画の打ち合わせ。絵本をつくります。 https://t.co/Z94ZDn4KjE
    2017.11.18
  • @miyamototo 素晴らしい人々と、素晴らしい夜。 昨晩、kanabouの「盆地文庫」展レセプションにお越しくださったみなさま、ありがとうございました。会期ははやいもので、明日・11/19(日)20:00までです。今日は森岡さんと宮本がお待ちしてお… https://t.co/5IQgyKgQ4i
    2017.11.18

福興会議

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東北芸術工科大学 宮本武典研究室

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3-4-5 Kami-Sakurada Yamagata

990-9530 Japan

Miyamoto lab.,Tohoku University of Art & Design

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DESIGN:Takuya Hirano

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Events

11/2 ふくしましま報告②

報告:菊地拓真(日本画コース2年/福興会議3期生)

今年のふくしましまではミロコマチコさんと坂本大三郎さんをお迎えしてアートのワークショップを行いました。私は山伏の坂本大三郎さんのワークショップのサポート担当で、木を彫刻刀で彫りそれぞれが考えた「カミさま・ホトケさま」をつくるというワークショップを行いました。午前中は準備のためスタッフが参考作品をつくっていると、子どもたちが近くに来て「なにしているの?」「はやくつくりたい‼」と言い、想像が膨らんでいるようでした。

ワークショップが始まると、すぐに木を彫り始める子もいれば、下書きを描いてじっくりつくる子もいました。彫刻刀を使い慣れていないということもあって、お母さんやお父さんと一緒につくる場面が多くみられ、家族がコミュニケーションを取りながら一つのものをつくる場になりました。またお父さんが、ほかの家族の子どもが彫る作業に苦戦していると手伝ってあげて、そこから家族同士が仲が良くなっているところがあり、このワークショップがコミュニケーションを生むきっかけになったと感じました。作業中は真剣な顔をしていた子どもたちも、カミさま・ホトケさまが出来上がると嬉しい気持ちが顔に溢れ、自分がつくったものを自慢したりほかのひとの作品をほめ合ったりしていました。

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今回の坂本大三郎さんのワークショップでは子どもたちひとりひとりがつくりたいものをつくるということではなく、福島と山形の子どもや親子、家族同士が協力してものをつくる場になったと感じました。この活動を継続して家族同士のコミュニケーションづくりのお手伝いになればと思いました。

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 またミロコマチコさんによるワークショップでは家族1枚のトナカイの型紙を元に自由に角を作ります。会わない間にずっと大きくなるこどもたちはペンを強く握り考え、色を選びます。出来上がった作品はどれも頑張りの結晶です。今年のクリスマス 参加されたご家族のおうちには立派な角をつけたトナカイがサンタさんと共にやってくるのでしょう。思い出と一緒に持ち帰ってもらえれば幸せです。

 

報告:高橋悠眞(工芸4年/福興会議1期生)

2011年の夏に始まった「福しま」シリーズも形を変えてゆっくりと今日まで続いてきました。2011年から3年半が経ち「福しま」には家族の分だけ物語があるように思えます。お母さんにおんぶされていた子は一人で歩けるようになり、兄弟が増えてお兄さんになった子もいます。 震災当初は復興のためのコミュニティー支援として始まりましたが、その向かうべき理想を私は上手く思い描くことができないままでいました。

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はじめの頃は山形と福島の家族がお互いに気遣い合い支えあっているように感じましたが、回を重ねるごとに家族同士の関係性が広がり、次第に集まることが楽しみになっていきました。自然な繋がりとゆるやかな時間、こども達の笑顔があたたかく感じるようになり「福しま」が安心できる場所となっていったのです。 3年間丁寧に続けることで、家族と一緒に「福しま」という大切な場所をつくりあげていったように思えます。

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この日は福興会議の学生も支援やボランティアという立場ではなくひとつの家族となり大きなまとまりを感じました。 現在では、こどもの成長と共に山形から福島へもどる家族も少しずつ増えてきています。一方で山形に残りたいという声もあります。いろいろな想いがありながらも変化に合わせて「福しま」という繋がりあえる場所を共有し続けることができたら素敵だと思います。今度は私たちが福島に行くのも良いかもしれません。

Events

11/2 ふくしましま報告①

報告:大津悠美子(企画構想学科4年/福興会議1期生)

福しましまフェス2014。今年も、温かい気持ちの溢れる1日となりました。

11/2(日)10:00、福島からのバスが会場に到着。「ひさしぶり〜元気だった?」「今日晴れてよかったね〜」何気ない会話と、子どもたちのはしゃぐ元気な声が、自然と会場を包みます。今年も会場となる山形県村山市農村文化保存伝承館には、たくさんのご家族とスタッフ、総勢150名がしましま(ボーダー柄)のドレスコードを着て、集いました。

2011年からはじまった、食とアートのピクニック「福しま」シリーズ。東日本大震災の影響により福島から山形へ自主避難された方々を対象に、交流の場づくりとして継続開催されています。4年目を迎える2014年。当日は、雨模様の天気予報でしたが…会場に着くと、澄み切った青空と色づいた紅葉が広がり、心地よい秋の空気が漂っていました。

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 午前は、食の時間。山形ガールズ農場さんの畑で、りんごと里芋収穫体験。農村文化伝承の家・そば匠さんに教わり、そば打ち体験。まずは、おいしいお昼の準備からはじまりました。こども芸大卒のお母さん方にもお手伝いいただき、収穫した里芋を使った山形の「芋煮」作り。手づくりパン NOUKAさんと、りんごを甘い「ジャム」に調理しました。NOUKAさんのコーヒーブースでは、焙煎したばかりの風味豊かなできたてコーヒーをみんなでおいしく味わいました。心配された雨雲も消え、朝から夕方までぽかぽかとした日差しが注ぎました。

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 午後は、アートの時間。絵本作家のミロコマチコさんといっしょに「トナカイの角」をつくるワークショップと、山伏でイラストレーターの坂本大三郎さんといっしょに「カミさま・ホトケさま」を彫るワークショップが行われました。それぞれの想いが込められた、こだわりある作品が、次々と会場に登場しました。

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 焚き火を囲んで食べる、テーブルを囲んでつくる。1つのものを家族みんなで「囲む」、ほかほかとした時間が流れる1日でした。囲んでいっしょに話す時間、いっしょに食べる時間、いっしょにつくる時間。開催を重ねるごとに、その時間と場所の大切さに、大きく気付かされます。

 

報告:半澤青空(テキスタイルコース1年/福興会議4期生)

食のワークショップでは、こども芸大のお母さん方と作る芋煮、そば匠によるそば打ち体験、山形ガールズ農場さんによるりんご狩りをして、いただいたりんごで作る焼きりんごと、お土産にする里芋掘り、手づくりパン屋NOUKAさんによるコーヒーとジャム作りをしました。芋煮づくりでは、こども芸大卒業生のお母さん方と、参加されたご家族のお母さん方の交流の場となり、中には涙ながらにネギを切ってくれたお子さんもいて、美味しい芋煮になりました。そば打ち体験で打ったそばは、皆さんのお昼ごはんとなり、太いそばや細いそば、様々な太さのそばを視覚と味覚で楽しみました。

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 里芋掘りは、伝承館のすぐ側にある畑に行き、たくさんの里芋を掘っていただき、参加者皆さんのお土産となりました。りんご狩りでは、バスで近くの農園に行き、りんごを収穫し、その場で美味しくいただきました。甘くて美味しいりんごは、中心部に蜜がたっぷりあるそうで、大きな口を開けて食べ、中心部が見えると「蜜がいっぱいだ!」とうれしい声が聞こえてきました。りんごは持ち帰り、焼きりんごを皆さんで作っていただきました。りんごを半分に切り、芯の部分をくり抜き、そこにバターと砂糖をたっぷり入れて焼きます。焼きあがったりんごは甘くて口の中でとろけるくらい、美味しく出来上がりました。


手づくりパン屋NOUKAさんは出張カフェをオープンし、参加者の皆さんで焙煎やドリップができるコーヒーワークショップをし、コーヒー好きな方には堪らない企画でした。焙煎することによって徐々に変わっていく豆の色がとても綺麗でした。NOUKAさんによるジャム作りはお母さん方が興味津々で見ており、「レシピ教わってきたから家で作ってみます」という声が続々と聞こえてきました。

10802080_352113331615823_1859328397249308501_n青空の下で家族仲良くお昼ご飯を食べている姿を見て、なんて幸せで美しい光景なのだろうと思いました。家族で美味しいご飯を囲んで、話をしながら食事をするという、何気ない光景ですが、その光景こそ、幸せを感じる瞬間なのでしょう。
 日々忙しく生活していると”たくさんの人と交流し、出会いを紡いでいくこと、家族との思い出を大切にしていくこと”を忘れがちですが、今回のふくしましまの食のワークッショップではその大切にすべき光景を思い出すことができました。

食を通じて出会いを紡いでかたちにしていくこと、家族との幸せを感じあう瞬間を、提供する側として参加できたことをとても嬉しく思います。

 

Events

山形ビエンナーレ わたしは鬼 について

報告:梅原もも子(福興会議2期生/洋画コース3年)

9月20日から10月19日までの一か月間山形ではじめての芸術祭が開催されていました。みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレさまざまなアーティストたちが作品を展示するなか福興会議の学生は旧西村写真館で行われた「わたしは鬼」のスタッフをしていました。この展示は詩人の和合亮一さんの“詩をまとう”という趣旨のもとファッションブランドのspokenwordsprojectデザイナーの飛田正浩さんがつくった洋服を来場者に着てもらうというものでした。和合さんはTEDxtohokuにて、飛田さんは2回にわたってキッズアートキャンプにて。お二人とも作品を通して山形と福島と東京をつなげてくださった人たちです。今回はお二人のコラボ、シルクスクリーンで刷られた洋服たちはどれも和合さん言葉を背負い覚悟を決めた表情をしていました。IMG_4028

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そして来場された方々には肌のすぐうえにその詩をまとってもらい自分の中に棲む鬼を表現してもらいます。「あなたは何の鬼ですか?」この質問の答えは無限です。凶暴な部分、弱くてもろいところ、愛すべき側面 どうしようもなく自分としか言えない“鬼”と向き合う瞬間に多く出会いました。必死に言葉になった鬼を伝えたとき、伝えられた時には喜びがありました。飛田さんは服+詩=人だと仰います。話すことで互いに歩み寄れる、そんな空間が写真館にはありました。すこしスッキリした顔で帰っていく人々をわたしは愛おしく思っていました。

旅立つ鬼旅立つ鬼

恥ずかしがり屋の鬼  恥かしがり屋の鬼

眠りの鬼、欲の鬼眠りの鬼、欲の鬼

夕暮れの鬼夕暮れの鬼

晩ごはんの鬼 晩ごはんの鬼

 また最終日には朗読会が行われました。TEDとキッズアートキャンプが行われたこども芸術劇場。前田エマさんによる朗読と和合さん率いる鬼岩朗読団の大地のうねる声。「一人ひとりが 優しい 鬼となりて生き抜くのだ 我らは鬼だ」「野火を 野火を求めよ その先にお前だけの夜明けがある 明けない夜は ない 」きっと多くの方に強烈な印象を与えた事でしょう。

ビエンナーレには遠方からいらっしゃる方が多くいました。目当ては違うものの遠くから時間をかけて山形に来てくれたことがとても嬉しかったです。わたしたち学生スタッフは普段は復興支援ボランティアをしています。直接のガレキ拾いではありませんがこのビエンナーレは人と人をつなぐ場だと感じました。震災後、人の集う場所をつくる動きはとても多く見られました。互いの傷の深さを知るには対話の生まれる場所が必要です。そして私たちがお渡しできるものは芸術とお祭りのような上機嫌さでした。この芸術祭はとても手作りで、その温かさがどの会場にもあったのだと思います。人と人が出会い通じ合ったとき、県の境もなく心はほぐされていくように感じました。この芸術祭が2年後もまた秋の山形で誰かの心を癒してくれるのが楽しみです。

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報告:高橋麻里子(福興会議3期生)

「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ 福興会議では、主に旧西村写真館で来場者の方をお迎えしました。ファッションブランドのspoken words projectと詩人の和合良一さんのコラボレート作品「わたしは鬼」。言葉のかいてあるお洋服をまとい、自分の中に潜む鬼と向き合う。期間中、たくさんの「鬼」が生まれる瞬間を見てきました。

時間の鬼時間の鬼

肯定の鬼肯定の鬼

考える鬼考える鬼

写真館に足を踏み入れたとき、わあ!と、純粋に、お洋服が可愛い。すごく素敵な空間ですね。と言う方。詩を読んで、涙を流す方。この言葉を着たい!と、お洋服を手に取る方。そして、「あなたは何の鬼ですか?」という問いを投げかけた時、じっくりじっくり自分のことを考えて、口にする「鬼」は、乱暴で怖いというイメージの鬼ではなく、優しさや寂しさ、力強さに溢れたものでした。アーティストの方がつくりあげた空間で、その展示を完成させたのは、言葉をまとい、自分に潜む「鬼」と向き合った方々だったのではないかと感じています。また、この1ヶ月間は、20年前に閉じてしまった写真館が蘇った、美しい時間でもありました。

学生スタッフとしてこの空間に関わることができたことを嬉しく思います。ありがとうございました。

News

9/12〜14日「山形ビエンナーレ旧西村写真館準備」報告

目黒有貴子(グラフィックデザイン学科3年/福興会議3期生)

山形ビエンナーレ開催まで残り1週間となり、「わたしは鬼」の準備も大詰めとなってきました。旧西村写真館にある機材を片付け、写真館が使われていた当時の物に触れると、この場所がアーティストの手によってどのように鬼とリンクする空間に変化していくのかを考えさせられます。

14日にはspoken words projectの飛田さんと詩人の和合さん、モデルの前田エマさんが会場入りされました。和合さんの詩とspoken words projectの服のコラボレーション。日本人にとって意味のある言葉が刷られた服を身に纏いながら部屋の中を歩くエマさんの姿は、築100年の写真館にもとけ込みます。私たちが意識しなければ考えない言葉や、他人の考えた文章の数々が服に刷られていきます。これまでタブーとされてきたファッションにおける日本語の表現が和合さんの言葉によって意味を成し、飛田さんによって纏うことのできる服となりました。私にはこの空間が日本人として全く新しい情景だと思えました。

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また、エマさんと和合さんによる詩の朗読がありました。詩が入り込んだ服を着ながら、声に出して言葉を連ねるセッションは、震災直後の地元の風景や、今、日常を暮らしている中でのやるせなさといった感情が押し寄せ、少し自分の中の「鬼」の片鱗が見え隠れしたように思います。日本語が溢れ返り、美しく流れていくこの現場は、自分すらもまだ知らない未知の感情に辿り着く事が出来るのかもしれません。

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山形ビエンナーレは、これからの東北を繋ぐ1つの大きな機会になると思っています。震災後の東北へより多くの人に足を運んでもらい、この地から「これから」に向き合う時間を、みちのおくの芸術祭で作ってほしいと深く考えるようになる数日間となりました。「あなたは何の鬼ですか?」という和合さん飛田さんからの問いに是非向かい合ってみてください。9月20日より公開です。

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News

みちのく潮風トレイル 700kmを歩いて(北上チーム)


青森県八戸市〜福島県相馬市を結ぶ、
全長700kmの「みちのく潮風トレイル」。
環境省が策定・整備を進める、
ロングトレイルコース(長距離自然歩道)です。

このトレイルコースを歩くため、
東北芸術工科大学(福興会議)の学生を中心に全国から8名の大学生が集結。
(東京藝術大学・京都造形芸術大学・立命館大学・秋田公立美術大学)

「あるいて、つないで、みちになる。」をテーマに、
8月20日〜9月12日(24日間)で無事に踏破しました。
北上・南下チームに別れ、8/21(木)からそれぞれ350kmを歩き始め、
9/11(金)、中間地点の岩手県大船渡市「恋し浜駅」で合流。
これまで、公式Facebookより日々の歩みを更新してきました。

震災から3年半。
東北の「今」と向き合う、24日間の軌跡。
日中は、歩きながら出会ったひと・もの・ことを更新。 
宿に着くとそれぞれ1日の日記を書きまとめ、発信し続けました。 

旅の終わりに、個人が掲げたテーマとともに日記を更新。
それぞれ、今回の旅を振り返りました。 
(以下、公式Facebookに投稿した福興会議メンバーの日記を転載します。) 

まずは、北上チームの報告から。
北上チームは、福島県相馬市〜岩手県大船渡市までのコースを歩きました。
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【東北のモノゴコロ】小松大知
(プロダクトデザイン学科3年/福興会議2期生)

“東北のモノゴコロ”=東北で生まれる(生まれた)モノと、
それらの背景にある作り手の思いや精神を探り、
感じることを個人的な旅のテーマとして掲げていました。
私が24日間で体験したモノゴコロは東北のほんの一部です。
正直まだまだ、まとまりきらない思いですが、
一度言葉にしてみようと思います。

トレイルの旅で見てきたモノ達に共通することは、
どれも東日本大震災の歴史を内包していることです。

「津波によって、これまでの歴史を全て失った。
 たった3年半という歴史しかない。
 これから新しく歴史を作ってゆくしかないんだよ。」
南三陸で聞いたその一言どおり、街だけでなく、
これまでのモノづくりの歴史も失われてしまったところは少なくありません。

つくる人が居ない、つくる材料がない、
つくる場所がない、つくり続けられない…
だからこそ生まれた新しいモノづくり。

震災後、仮設住宅には裁縫や内職の得意なお母さん達が居たが、
出稼ぎに行こうにも雇用がない状態だった。土地のものは何もないが、
靴下と綿くらいは手に入れられる状況と、偶然のソックモンキーとの出会い。
宮城県東松島市の陸前小野駅前の仮設住宅からは、いまやその土地の顔ともなる「おのくん」が誕生することとなった。細やかではあるが収入も生まれ、一人で家に居るだけの生活からの解放、つくることによる生きがいや、仮設住宅内でのお母さんたちのつながりも強くなったという。おのくんが売れると「行ってらっしゃいね。」といって頭をなでていたのが印象的でした。

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宮城県気仙沼市女川町では、
3.11以降に始まったスペインとの交流がきっかけで、
スペインタイルづくりが新たな街の特徴となろうとしている。
街の7割が津波により壊滅した女川町。
「モノクロになってしまった街に色を取り戻したい」という想いが、
多くの人の心を動かし、今では街の至る所で、
女川ならではのモチーフが描かれたカラフルなタイルを見るようになった。

「新しくできる公営住宅の表札にも使われるんです!」
鮮やかだけど温かみのあるタイルでできた表札が、
着々と女川の街を色付けようとしている。

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それ以外にも、さんまの味噌だったり、
デザインで生まれ変わった豆腐屋さんだったり、
津波の被害を乗り越えて海に戻った漁師さんなど、
様々なモノづくりをされている方と出会いました。

作り手のココロを知ることで見えてきたもの。
それは、モノづくりは単に収入を得ることだけでなく
「生きること」への喜びや理由にもつながるということ。
また、買い手は『繫がりと作り手の想い』に価値を感じるということ。
その土地だからこそ、その人達だからこそ、その想いだからこそに、
私たちは物質を超えて惹かれるのではないでしょうか。

いかに作り手と買い手の間に繫がりをつくるのか、
いかにその想いを正しく届けるのか、
より長くその土地に根ざしていけるのか。
これが、これからの東北でのモノづくりの鍵となってくることだと思います。

震災から三年半を経た東北で、
これからどんなモノづくりの歴史がはじまるのか。
東北から何を生み出し、日本や世界に発信していくのか。

デザインを生業とする者として、東北で生まれ育った者として、
これからも自らの足で歩き、見て、伝え続けます。
そして、いつの日か私にも力になれる時が来るよう、
自分の道をがむしゃらに歩いて行きたいと思います。
この24日間で出会った東北の人達を思い浮かべながら。

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【つながりから生まれる会話】大津悠美子
(企画構想学科4年/福興会議1期生)

「頭の中に青春を溜めなさい。
 いつでも、今しかできないことばかりだから。
 そして生きているうちに、自分を発揮しなさいね。」

旅、最終日の朝。
岩手県大船渡市綾里湾の朝日を見に行きました。
昆布を天日干ししていた地元のおばあちゃんがおっしゃっていた言葉。
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「おはようございます」とあいさつをし、
「いくつ?学生さん?夏休み?」と聞かれ、会話がつづく。
5分という短い時間でしたが、多くの言葉を残してくださいました。
海を眺めながら、過去と未来を照り合わせながら。

わたしの旅のテーマは「つながりから生まれる会話」。
普段からわたしは、日々の言葉にときめくのが好きです。
人と話すことで残る言葉を、心にメモするのが好きです。

つないで歩くことで生まれる会話、つながりを求めて生まれる会話。
その土地で、歩くことでしか聞けない会話を大切に歩きました。
農作業をしているおばあちゃん。漁の網にえさを仕込む漁師さん。
店先の花に水やりをしていた店主さん、ボランティアの方々。
復興工事の資材を運ぶトラックの運転手さん。工事現場のみなさん。
島に住む90歳のおじいちゃんおばあちゃん。駅にいた駅員さん。
駅で一休みするタクシーの運転手さん。お参りした神社の住職さん。

数えきれないほどの出会いがあり、側にはいつも会話がありました。

「ここまで津波が来たんだ。たまげたよ。」
「震災時のこと、本当は見るのつらいんだ。でも、話すね。」
「海の近くに住み続けるのは、やっぱり海が好きだからだべな。」
「復興、復興。先は長いね。10年以上はかかるね。」
3年半が経っても、今なお日常と重なる震災の爪痕。

「あがらいん、おいしい漬け物あるから。ほらこれ、け。」
「歩ってぐの?いや〜若さだね、今しかできないね。」
「ラジオ聞いたぞ!がんばれ!倒れるなよ!」
初対面にも関わらず、ぬくもりある言葉を掛けてくださるみなさん。

「いつか、いつかまた戻れることを願って、今を生きてるんだ。」
「オリンピックは、家族みんなで高台の家で見れるかしら。」
「この場所は時間が止まってる。工事はいつから始まるのかしら。」
「ここは、資材不足。こっちは話し合いが遅れているんだ。」
住む場所、仕事場所、過ごす場所ごとに変わる、未来の話。

「ここでできることは、3年半が経っても形を変えてまだある。」
「まずは来てから、何ができるか考えながら動いています。」
「過去が流された場所で、いっしょに未来を作りたい。」
時間が経ってから、継続して来ている、ボランティアの人たち。

現地の本音。現地の感情。現地の想い。現地の願い。
どの言葉も、行って歩いてみないと聞けないことばかりでした。
歩いていると「ご苦労さま。ありがとうね。」と声を掛けられました。
「いえいえ。御礼を言いたいのはこちらの方です。」と心に思いながら、歩み続けました。

出会い、会話した全ての言葉に「強さ」を感じました。
根底にあるのは、震災後からの力なのか。
それとも、東北に根付く力なのか。
そしてそこにはいつも、「自然」が隣り合わせでした。

山から昇る朝日や、海に沈む夕日。波の音や、虫のささやき。
どこにいても空が広くて、おいしい空気が漂う。
広がる景色はどこまでも広くて、彩りが鮮やかで、美しい。
自然とともに生きる暮らしが、当たり前でした。
自然の強さを、そばに感じながら生活されていました。

つながりから、会話が生まれ、そこに、強さを感じ、
強さから、自然を考える。会話と強さ、強さと自然が隣り合わせ。

こっちに戻り思うことは、会話は近いけれど、距離が遠い。
歩いていて思ったことは、会話は遠いけれど、距離が近い。
でもまずは、どちらに帰っても「ただいま」と言うのでしょう。

挨拶ひとつ、表情ひとつ、相槌ひとつ、質問ひとつ。
歩きながら、出会いながら、会話をしながら、
大切にしたいこと、伝えたいことがふえました。
たくさんの言葉を、温もりを、ありがとうございます。
旅はこれから。歩みはこれから。
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