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  • @miyamototo そして僕は昨日からタイ北部の古都チェンマイにいます。川村亘平斎さんと、さまざまな事情で親から離れてくらす子供たちのためのホーム「バーンロムサイ」で影絵の上演。写真家の志鎌康平さんも取材旅行中のスリランカから合流。今夜、この幕で演じ… https://t.co/Y7MkUfzuzl
    2017.12.17
  • @miyamototo とんがりビルで開催中「畏敬と工芸」。初日の解説トークリレーは展示空間の四方をぐるりと聴客が囲むスタイルで実施。森岡督行さんのナビゲートで引き出された、それぞれの「畏敬と工芸」めぐる自分語り、聞きごたえがありました解説トークに参加で… https://t.co/a8XmVk3eUx
    2017.12.17
  • @miyamototo 始発の新幹線に乗り、東京とんぼ返りでミロコマチコさんと打ち合わせ。明日が展覧会オープンだというのに、1.5時間の打ち合わせのために往復6時間。だけど、同じように山形まで会いに来てくれる人もいる。その1.5時間で、数年先までが、いや… https://t.co/iRv0ygeCB3
    2017.12.14
  • @miyamototo とんがりビルで「畏敬と工芸」設営スタート。真室川から山神人形が到着。展示台は白ではなく、あえて蛇の目と籠目の文様を刷りました。明日の夜、研究会メンバーみんなで展示を完成させます。 https://t.co/L75Xmlag2j https://t.co/cOICsQp2c3
    2017.12.13
  • @miyamototo 新年の宮本企画1本目は山形県東根市出身の版画家ながさわたかひろ氏の個展。展示会場にながさわさんが常駐し、1日1枚「オレ新聞」を発行・掲示します。お楽しみに!|ながさわたかひろ滞在制作展「オレ新聞」1/13〜2/12 東根市公益文化… https://t.co/TKR3BvpP6m
    2017.12.12

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[お問い合わせ]

東北芸術工科大学 宮本武典研究室

〒990-9530 山形県山形市上桜田3-4-5

3-4-5 Kami-Sakurada Yamagata

990-9530 Japan

Miyamoto lab.,Tohoku University of Art & Design

miyamoto@aga.tuad.ac.jp

© Miyamoto Lab. All Rights Reserved

DESIGN:Takuya Hirano

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みちのく潮風トレイル 700kmを歩いて(北上チーム)


青森県八戸市〜福島県相馬市を結ぶ、
全長700kmの「みちのく潮風トレイル」。
環境省が策定・整備を進める、
ロングトレイルコース(長距離自然歩道)です。

このトレイルコースを歩くため、
東北芸術工科大学(福興会議)の学生を中心に全国から8名の大学生が集結。
(東京藝術大学・京都造形芸術大学・立命館大学・秋田公立美術大学)

「あるいて、つないで、みちになる。」をテーマに、
8月20日〜9月12日(24日間)で無事に踏破しました。
北上・南下チームに別れ、8/21(木)からそれぞれ350kmを歩き始め、
9/11(金)、中間地点の岩手県大船渡市「恋し浜駅」で合流。
これまで、公式Facebookより日々の歩みを更新してきました。

震災から3年半。
東北の「今」と向き合う、24日間の軌跡。
日中は、歩きながら出会ったひと・もの・ことを更新。 
宿に着くとそれぞれ1日の日記を書きまとめ、発信し続けました。 

旅の終わりに、個人が掲げたテーマとともに日記を更新。
それぞれ、今回の旅を振り返りました。 
(以下、公式Facebookに投稿した福興会議メンバーの日記を転載します。) 

まずは、北上チームの報告から。
北上チームは、福島県相馬市〜岩手県大船渡市までのコースを歩きました。
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【東北のモノゴコロ】小松大知
(プロダクトデザイン学科3年/福興会議2期生)

“東北のモノゴコロ”=東北で生まれる(生まれた)モノと、
それらの背景にある作り手の思いや精神を探り、
感じることを個人的な旅のテーマとして掲げていました。
私が24日間で体験したモノゴコロは東北のほんの一部です。
正直まだまだ、まとまりきらない思いですが、
一度言葉にしてみようと思います。

トレイルの旅で見てきたモノ達に共通することは、
どれも東日本大震災の歴史を内包していることです。

「津波によって、これまでの歴史を全て失った。
 たった3年半という歴史しかない。
 これから新しく歴史を作ってゆくしかないんだよ。」
南三陸で聞いたその一言どおり、街だけでなく、
これまでのモノづくりの歴史も失われてしまったところは少なくありません。

つくる人が居ない、つくる材料がない、
つくる場所がない、つくり続けられない…
だからこそ生まれた新しいモノづくり。

震災後、仮設住宅には裁縫や内職の得意なお母さん達が居たが、
出稼ぎに行こうにも雇用がない状態だった。土地のものは何もないが、
靴下と綿くらいは手に入れられる状況と、偶然のソックモンキーとの出会い。
宮城県東松島市の陸前小野駅前の仮設住宅からは、いまやその土地の顔ともなる「おのくん」が誕生することとなった。細やかではあるが収入も生まれ、一人で家に居るだけの生活からの解放、つくることによる生きがいや、仮設住宅内でのお母さんたちのつながりも強くなったという。おのくんが売れると「行ってらっしゃいね。」といって頭をなでていたのが印象的でした。

だいち(1)

宮城県気仙沼市女川町では、
3.11以降に始まったスペインとの交流がきっかけで、
スペインタイルづくりが新たな街の特徴となろうとしている。
街の7割が津波により壊滅した女川町。
「モノクロになってしまった街に色を取り戻したい」という想いが、
多くの人の心を動かし、今では街の至る所で、
女川ならではのモチーフが描かれたカラフルなタイルを見るようになった。

「新しくできる公営住宅の表札にも使われるんです!」
鮮やかだけど温かみのあるタイルでできた表札が、
着々と女川の街を色付けようとしている。

だいち(2)

それ以外にも、さんまの味噌だったり、
デザインで生まれ変わった豆腐屋さんだったり、
津波の被害を乗り越えて海に戻った漁師さんなど、
様々なモノづくりをされている方と出会いました。

作り手のココロを知ることで見えてきたもの。
それは、モノづくりは単に収入を得ることだけでなく
「生きること」への喜びや理由にもつながるということ。
また、買い手は『繫がりと作り手の想い』に価値を感じるということ。
その土地だからこそ、その人達だからこそ、その想いだからこそに、
私たちは物質を超えて惹かれるのではないでしょうか。

いかに作り手と買い手の間に繫がりをつくるのか、
いかにその想いを正しく届けるのか、
より長くその土地に根ざしていけるのか。
これが、これからの東北でのモノづくりの鍵となってくることだと思います。

震災から三年半を経た東北で、
これからどんなモノづくりの歴史がはじまるのか。
東北から何を生み出し、日本や世界に発信していくのか。

デザインを生業とする者として、東北で生まれ育った者として、
これからも自らの足で歩き、見て、伝え続けます。
そして、いつの日か私にも力になれる時が来るよう、
自分の道をがむしゃらに歩いて行きたいと思います。
この24日間で出会った東北の人達を思い浮かべながら。

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【つながりから生まれる会話】大津悠美子
(企画構想学科4年/福興会議1期生)

「頭の中に青春を溜めなさい。
 いつでも、今しかできないことばかりだから。
 そして生きているうちに、自分を発揮しなさいね。」

旅、最終日の朝。
岩手県大船渡市綾里湾の朝日を見に行きました。
昆布を天日干ししていた地元のおばあちゃんがおっしゃっていた言葉。
おおつ(1)

「おはようございます」とあいさつをし、
「いくつ?学生さん?夏休み?」と聞かれ、会話がつづく。
5分という短い時間でしたが、多くの言葉を残してくださいました。
海を眺めながら、過去と未来を照り合わせながら。

わたしの旅のテーマは「つながりから生まれる会話」。
普段からわたしは、日々の言葉にときめくのが好きです。
人と話すことで残る言葉を、心にメモするのが好きです。

つないで歩くことで生まれる会話、つながりを求めて生まれる会話。
その土地で、歩くことでしか聞けない会話を大切に歩きました。
農作業をしているおばあちゃん。漁の網にえさを仕込む漁師さん。
店先の花に水やりをしていた店主さん、ボランティアの方々。
復興工事の資材を運ぶトラックの運転手さん。工事現場のみなさん。
島に住む90歳のおじいちゃんおばあちゃん。駅にいた駅員さん。
駅で一休みするタクシーの運転手さん。お参りした神社の住職さん。

数えきれないほどの出会いがあり、側にはいつも会話がありました。

「ここまで津波が来たんだ。たまげたよ。」
「震災時のこと、本当は見るのつらいんだ。でも、話すね。」
「海の近くに住み続けるのは、やっぱり海が好きだからだべな。」
「復興、復興。先は長いね。10年以上はかかるね。」
3年半が経っても、今なお日常と重なる震災の爪痕。

「あがらいん、おいしい漬け物あるから。ほらこれ、け。」
「歩ってぐの?いや〜若さだね、今しかできないね。」
「ラジオ聞いたぞ!がんばれ!倒れるなよ!」
初対面にも関わらず、ぬくもりある言葉を掛けてくださるみなさん。

「いつか、いつかまた戻れることを願って、今を生きてるんだ。」
「オリンピックは、家族みんなで高台の家で見れるかしら。」
「この場所は時間が止まってる。工事はいつから始まるのかしら。」
「ここは、資材不足。こっちは話し合いが遅れているんだ。」
住む場所、仕事場所、過ごす場所ごとに変わる、未来の話。

「ここでできることは、3年半が経っても形を変えてまだある。」
「まずは来てから、何ができるか考えながら動いています。」
「過去が流された場所で、いっしょに未来を作りたい。」
時間が経ってから、継続して来ている、ボランティアの人たち。

現地の本音。現地の感情。現地の想い。現地の願い。
どの言葉も、行って歩いてみないと聞けないことばかりでした。
歩いていると「ご苦労さま。ありがとうね。」と声を掛けられました。
「いえいえ。御礼を言いたいのはこちらの方です。」と心に思いながら、歩み続けました。

出会い、会話した全ての言葉に「強さ」を感じました。
根底にあるのは、震災後からの力なのか。
それとも、東北に根付く力なのか。
そしてそこにはいつも、「自然」が隣り合わせでした。

山から昇る朝日や、海に沈む夕日。波の音や、虫のささやき。
どこにいても空が広くて、おいしい空気が漂う。
広がる景色はどこまでも広くて、彩りが鮮やかで、美しい。
自然とともに生きる暮らしが、当たり前でした。
自然の強さを、そばに感じながら生活されていました。

つながりから、会話が生まれ、そこに、強さを感じ、
強さから、自然を考える。会話と強さ、強さと自然が隣り合わせ。

こっちに戻り思うことは、会話は近いけれど、距離が遠い。
歩いていて思ったことは、会話は遠いけれど、距離が近い。
でもまずは、どちらに帰っても「ただいま」と言うのでしょう。

挨拶ひとつ、表情ひとつ、相槌ひとつ、質問ひとつ。
歩きながら、出会いながら、会話をしながら、
大切にしたいこと、伝えたいことがふえました。
たくさんの言葉を、温もりを、ありがとうございます。
旅はこれから。歩みはこれから。
だいち(3)